不思議な絵を描く画家として知っていた。
そして、高校生のとき、貰った名画カレンダーに含まれていた、
「光の帝国」を初めて見た。
ルネ・マグリット「光の帝国」 |
この絵がとても気に入って、就職して実家を出るまで
ずっと部屋に飾っていた。
青空の下に、森閑とした暗い空間が広がり、
邸宅の前の街灯が、あたりを柔らかく照らし出す。
青空は、日常や現世を表し、光に照らされた夜の空間は
孤独や郷愁や心のなかの幻想の世界を象徴する。
マグリットは「光の帝国」というタイトルの絵を数枚書いているが、
僕が好きなのはこの絵だ。
それは、光が水面に映えて、ほかの絵よりも明るさが増しているからだ。
「光の帝国」を見ていると、ホルマン・ハントの「世の光」を思い出す。
幼いころから教会で目にしていた絵で、懐かしい。
そういえば「世の光」も、森のなかで家の前に灯りをもって
あたりを照らす構図だ。
マグリットも、この絵に暗示を受けたのかもしれない。
ホルマン・ハント「世の光」 |
0 件のコメント:
コメントを投稿