何度か洋書を買い求めた出品者から、1冊の本がおまけで付いてきた。
「Troilus and Cressida A Love Poem in Five Books」。
1932年ニューヨークでの発刊、B5版で300ページ超の本である。
その本が印象的だったのは、本文の全ページに、
木版のカットが施されていたことだ。
洗練された様式美。ユーモラスで官能的だ。
「Troilus and Cressida」 |
(同上) |
彫刻家、版画家、書体デザイナーでもある英国人で、
アーツ・アンド・クラフト運動に参加したという。
彼の木版画を調べると、どこか魅力的なものが多い。
図録を2冊購入した。
聖画像(イコン)として描かれたものは、
明確な線としっかりとした構図で、力強さを感じる。
ただ、人物の表情や執拗に描かれた波線などに
異様な印象も受ける。
Nativity (1927) |
The Crucifixion (1926) |
Ascension (1918) |
一方、挿絵やデザイン画は、より自由奔放な線で描かれており、
ディティールの描き込みや、ユーモラスな味わいを愉しめる。
The fall of Wolsey (1937) |
The Crucifixion (1931) |
そして、女性(女体)を描いたものは、流れるような線で起伏を表現し、
官能的な美を情感豊かに描いている。
画家の思い入れが深い分、観る側も絵のイメージが湧き、
もっとも愉しめるジャンルになっている。
Approaching Dawn (1927) |
On my Bed by Night (1925) |
The Bird in the Bush (1928) |
The Dancer (1925) |
Leda loved (1929) |
Eve (1926) |
Famale Nude (1937) |
Famale Nude,Standing (1937) |
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